2025/01/09 11:08

🚶‍♂️ 謎のやる気、チャングー徒歩チャレンジ発動!


クタビーチからレギャンのホテル近くまで戻ってくると、さっきまでの猛烈な空腹もすっかりおさまりました。

ざっくりとした方角と距離感しか覚えてなかったけど、地図で見たときは「まあまあ行けそうちゃう?」と思っていたせいか、

「いっそこのままチャングーまで歩いて行けるんじゃないか」という謎の気概が湧いてきます。


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🏍️ 呼び込みバトル in レギャン


街のあちこちには、“Grab”や“gojek”のロゴが入った黄緑色のナイロンジャンパーを着たバイクタクシーの運転手たちがたむろしていて、

「ヘイ!タクシ!?」「モトバイ!?モトバイ!?」「バイ!?バイ!?バイ!?」

と、もはや呪文のように執拗な呼び込み。

思わず「バイバイ言うてんのはこっちやわ!」って心の中でツッコミ入れながらも、口ではたどたどしい英語で、

「アイゴートゥーチャングー」「アイライクウォーキング」と伝えると、

それぞれ別々に声をかけてくる運転手たちが、なぜか口を揃えたように眉間にしわを寄せて、

「オォン!ベリーファー!」

「ベリベリローング!」

「オーノー!オーマイガー!」

と、まるで台本でもあるかのように、不安を煽ってきます。


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🦵 バリ歩きの覚悟、試される


バリに来る1ヶ月前から、毎朝30分ウォーキングで鍛えたこの強靭な両足でも無理なんか?

オレの足腰よ? 行けるのか? 行けないのか? どっちなんだい!?

……「行けーーーーーないっ!」と、心のルーレットが止まったそのとき、

ヨレヨレの黒Tに、顔にまで刺青の入ったちょっと怪しげな男が「ホエアユーゴーイング?」と声をかけてきました。


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💸 交渉バトル、開始!


「チャングー」と答えると、「オッケー!カモン!?」と即乗り気。

「サンキュー!ノーペイオーケー!?」と聞いてみると、鼻で笑われて返ってきたのは――

「ワンハンドレッドサウザンドルピア」。

この長ったらしくて偉そうな響き。

要するに「10万ルピア」のことなんですが、毎回「結局いくらやねん?」と混乱します。


ここからは、関西弁バージョンでどうぞ。

「えっえっ?なんて?これか?」と1万ルピア札をひらつかせる。

「ちゃうがな。10万ルピアや。それ10枚や」

「あほぬかせ!もうええわ!さいなら!」

「ちょちょちょ待ってくれや!8万ルピアやったらええよ?」

「あかん。ほな3万ルピア」

「ぐぬぬ。5万ルピアでどないや?」

「まあ、かまへんけど、それ以上絶対払わんからな!」

そう念を押して交渉成立。

傷だらけのバイクにまたがって、

「ちゃんと乗った?さぁ腰に手を添えて?レッツラゴー!ぶいーん!」

と勢いよく出発!……したのも束の間。


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❓ ケータイなしのチャングー探訪


だんだん雲行きが怪しくなり、信号待ちのバイクや通行人に「チャングーってどこ?」と聞きまくる始末。

「いやもう、ケータイで調べたらええやん?」と言うと、

「ボキ、ケータイ持ってにゃいにょ」

と返ってきて、もはやバイクのシートに触れてるのさえイヤになってきます。


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🏝️ イケてるチャングー、遠すぎ問題


ようやく「着いたで。ほら、ここがチャングーや」と言われて見上げると、

たしかに「ようこそチャングーへ」的な看板はあるものの、見渡す限りコンビニすらない、ローカルでカントリーな一帯。

「ちゃうがな!わいが言うたんは、もっとこう…イケてるチャングーや!

たしかビーチの近くが栄えてるって、どっかで見た気ぃすんねん!」

そう伝えて、また人に道を聞きながら進むと、だんだんオシャレなお店がポツポツ見えてきて、ついにビーチに到着!


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💥 感動の(?)ビーチ到着と、消えた10万ルピア


「フー。やっと着いたわ。フー。めっちゃ時間かかった。フー。めっちゃ疲れた。フー。はい、じゃあ10万ルピアね?」

言われた瞬間、「キェエエエエエエ!」と奇声が出ますが、手持ちに5万ルピア札がなく、泣く泣く崩しに売店へ。

嫌そうな顔をされながら、必死の形相で両替。

ようやく刺青男に支払うと、ちょっと不服そうな顔で受け取りつつも、

「ありがとう。また言うてな。ケータイの番号教えてくれへん?」

……いや、さっき「ケータイ持ってにゃいにょ」って言うてたやん?

「友達から借りる」って言うので、嘘の番号を教えておきました。

すると機嫌よくなって、ガッチリ握手。

そして、ぶいーん!と音を立てて、どこかへ走り去って行きました。