2025/01/08 13:22
朝6時。ぱっちり目が覚めたけど、まだ少しボーッとしながら準備を整えて街へ繰り出す。
目に飛び込んできたのは、レンガ色の中央公会堂みたいな建物。

「ああ、ついにバリに来たんやなあ」って、胸の奥がじんわり熱くなる瞬間。
今日は、レギャン、クタ、スミニャック、そして今トレンドど真ん中のチャングーを巡る予定。
でも、その前にーーお腹がグゥ。
昨日の昼から何も食べてないことに気づいて、「よし、まずはナシゴレンや!」と固く決意。
さっそくGoogleマップでお店を探そうとしたら…まさかの通信エラー。
ドコモからアハモに替えたばかりで、海外2週間バッチリ使えるはずなのに、なぜか外ではスマホが完全オフラインモード。
ホテルや空港のWi-Fiは繋がるのに、外に出るとスマホが心を閉ざす。
こうなったらもう…
「とにかくクタまで行けばなんとかなるっしょ!」と、根拠ゼロの自信だけで歩き出す。
しばらく歩くと、目の前に突然現れたのは…
「吉野家」。
いやいや、誘惑強すぎる。
めちゃくちゃ強い。
でも、バリ初日の一食目に牛丼はあかん。
ナシゴレンって決めたんや、自分。
牛丼ダメ。ゼッタイ。
そう言い聞かせて、鬼の決意でスルー。
その道中、こっちをじっと見てくる像たち。
「ここは通しませんよ!」と言いたげに微笑む像(武器:扇子)。

「この先進んだら胴体ちょん切るぞ!」と威嚇してくる蟹(飛行タイプ)。
もう、明らかに
「この先にナシゴレンはない」ってフラグが立ちまくってる。
でも、ここでひらめく。
「クタビーチに行けば、きっとナシゴレン売りたちが呼び込みしてるはずや!」
…そう信じて向かったビーチ。
ところがーー

そこには、まさかの静寂。
誰一人、声をかけてこない。
ナシゴレン売りどころか、
誰にも存在を認識されていないレベルで、静か。
そのとき、ふと思う。
「ナシゴレンって……ほんまに存在するんやろか?」
「いや、もしかして最初から、この世に存在してへんのかも」
【To be continued…】